メディアが適切な情報を掲載してくれず悲しいと思うトラエンです。
本日のニュースは、三菱UFJ銀行の3400億円余りの特別損失計上の本当の理由について解説します。
本日の記事のポイントは、以下です。
● 特別損失とは?
● やはり日本企業の金融リテラシーは低い?
三菱UFJ銀行の3400億円の特別損失とは?
特別損失とは、企業の通常の経済活動では発生しない、その期だけ特別に発生した例外的な損失のことです。
特別損失とは、明確な基準がないため、企業の判断で、それが特別損失なのかどうかは判断されます。
そして、今回の内訳とは以下の通りです。
✔︎ インドネシア バンクダナモン 2,128億円
✔︎ タイ アユタヤ銀行 1,305億円
✔︎ フィリピン セキュリティバンク 200億円
計 3,600億円
では、なぜこの企業に対する損失があったのかというと、三菱UFJは、これらの企業を買収したのですが、買収当時から比較して50%以上価値が下落しています。
そのため、特別損失となっています。
メディアで「のれん」と出ていましたが、この「のれん」とは、実際の企業の簿価と購入時の価値の差額をバランスシート上に記載する際に、のれんとして記載します。
この「のれん」と呼ばれる資産を焼却する形で、今年の特別損失としています。
また、メディアでは、コロナの影響で、世界同時株安になり、仕方ない特別損失だと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
実は騙されていた三菱UFJ
例えば、ダナモン銀行における特別損失は、2,128億円でした。三菱UFJは、2017年12月に、このインドネシアのダナモン銀行に出資することを発表しています。
そして、このダナモン銀行の株式の売り手は、シンガポール政府系ファンドであるテマセク・ホールディングスでした。
まぁ、このシンガポールの政府系ファンドから甘い言葉を言われたのでしょうね。
ちなみに、シンガポールというのは、IMF (国際通貨基金)から、シンガポールの金融分野の安定性評価が「世界最高水準」と評価されているくらい、金融大国である事が分かります。
そんな金融大国シンガポールから、甘い言葉をかけられ、三菱UFJが株を2017年12月1度目の購入をしました。そして、2018年半ばに追加の株価取得を行いました。
しかし、この政府系ファンドは、2018年にリスクの高まりから、投資を控えていくということを発表しました。
ここからも分かる通り、シンガポールの政府系ファンドは、ずーーーっと売却先をずっと探していたということですね。
そして、ダイナモン銀行は、コロナの前である、2019年から株価大暴落を始めました。(以下図参照)
ここから分かる通り、三菱UFJは、2017年12月に一度目の買い付けを行い、2018年半ばにさらに追加出資を行っていますので、まさに高値掴みをした後、株価大暴落という感じです。
さいごに
我々の大事な資産をもとに、運用資産を行なっている三菱UFJですが、やはりそういう企業ですら、金融リテラシーがなく、調査不足で、このような高値掴みをさせられてしまうんですね。
しかも、メディアまでもが、コロナの影響で仕方ない特別損失だという次第・・・。
非常に残念ですが、しっかりこういうニュースの本質を見抜き、騙されないようなスキルが今後我々個人投資家に必要になってきますね。
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