新型コロナウイルスの影響により、実体経済に大きな影響が出ています。
2020年2月29日に発表された中国の2月製造業購買担当者指数(PMI)の結果は、大きく下げる結果となりました。
中国では、すでにサプライチェーンが分断される結果となっており、致し方ない結果という事がわかりますが、
今回のテーマは「協調利下げ」について解説します。
これにより、日銀がどう対応していくかで、世界投資家が、
「円買い」か「円売り」になるかが分かると思います。
アメリカは利下げ
まず、アメリカの中央銀行であるFOMC(米連邦公開市場委員会)は、3月3日に緊急会合を開き、0.5%の利下げを全会一致で決定しました。
FOMCの緊急利下げは、2008年10月以降初めてであり、現状はリーマンショックに匹敵するという事です。
もうこの時点で「やべっ」という感じの事が分かりますよね。
今回の利下げの結果、NYダウは、株価を持ち直してきており、株株式市場では、対策効果が出た事がよく分かります。
協調利下げとは?
まず今回アメリカは先行して緊急で利下げを発表しました。
それにより、米株価は一時的な効果はもちろんあったでしょうが、アメリカだけでなく世界の実体経済にすでに影響が出ているため、アメリカだけの対応では、意味がないです。
そのため、「世界同時協調利下げ」というのが、必要になってくるでしょう。
利下げを行うと言う事は、市場に潤沢な資金が注ぎ込まれると言う事であり、コロナウイルスの影響で事業が稼動できていない産業に資金が流れていくと言う事です。
これにより、経済が活性化していく可能性があります。
コロナウイルスの影響で、一部の市場だけでなく、世界市場全体が下がってきている状況ですので、世界同時にやらないと効果がないと言う事ですね。
ちなみに、この「世界同時協調利下げ」に対して、イングランド銀行は利下げを行なってくる可能性が高いです。
さすがイングランド銀行動きが早いですね。
しかし、問題は、ECB(ヨーロッパ中央銀行)と日銀です。
ECBと日銀は、すでにマイナス金利を導入しているため、この協調利下げでどの程度実体経済に影響があるか、疑問があります。
日銀が協調利下げを行なわなかったら?
ここでふと疑問に思うのが、「もし日銀が利下げに応じなかった場合」ですよね?
それは、過去の歴史を振り返れば分かりますが、2008年10月のリーマンショック時に世界同時協調利下げというのが行なわれました。
これは、6つの主要国の中央銀行が同時に協調利下げを行い、その後4つの新興国も協調利下げに応じたため、合計10カ国の中央銀行が「利下げ」を発表しました。
しかし、そこに日本はいなかったのです。
結果何が起こったか??
ご存知とは思いますが、強烈な「円買い」が始まりましたよね。
当時の日銀総裁のコメントは「わが国では政策金利の水準はすでに極めて低い」というものであり、協調利下げに加わらなかったのです。
そのため、日銀が協調利下げに応じなかった場合、またもやあの強烈な円買いが始まる可能性があるので、要注意です。
さいごに
個人的な予想としては、協調利下げの要請があった場合は、今回は過去の歴史から学び、日銀は利下げに応じるのではないでしょうか?
というのも、黒田総裁は、3月2日のコメントで以下の通り話しています。
「日本銀行としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である。」
また、日銀は、2日連続で国際買い現先オペやETF買いが行なわれました。
これは、民間から日銀が金融商品を購入する事で、資金が市場に流れていくと言う事です。
そのため、日銀操作のコメントと日銀の動きから、今回はかなりやばい状況である事を把握し、過去の同じ過ちを生かした行動を取ってくれるのではないかと期待できそうですね。
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