ポンド安が進む｜イギリスの技能ポイントが影響？

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イギリスがEUとの完全なる離脱をするために新しい制度を発表しました。

その内容とは？そしてそれがポンドに及ぼす影響とは？
以下で解説します。

英移民受入新制度（ポイント制）とは？

2021年１月にイギリスは、移民受け入れについて、高技能労働者を最優先し、求められる条件に応じて付与するポイントによって判断する新制度案を導入する事を発表しました。

これは、ジョンソン氏がEU離脱の大きな要因として掲げていた移民の排除と英国民の労働環境の保護が目的です。

この制度は、特定の技能、資格、給与、専門性などに応じたポイントを付与し、ポイント数が一定水準に達した人にのみ査証（ビザ）を発給するものです。

ＥＵ出身者もＥＵ域外出身者も同じ条件であり、英語を話す能力と就職先からのレター（召喚状）も必須のため、いわゆる「安い賃金労働者」（イギリスでは「未熟練労働者」と表現されることが多い）が入国できなくなります。

逆に、熟練労働者の定義も変わり、現行の大学院レベルから、大学入学レベルを示す一般教育修了上級レベル（Aレベル）へ変更し、熟練労働者は拡大してきます。

また、労働者だけではなくイギリス留学をしたい学生も、入学できる学校からのレター、英語が分かること、自分の生活費を自分で工面できることを証明することが必須となります（※学生ビザは一昨年より日本人を含む非ＥＵ国民には既にこの条件になっています）。

もし、ご家族等でイギリス留学を検討していた方は、要検討ですね。

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新制度の英経済への影響は？

ちなみに、英政府は、英国で就労しているEU出身者の約7割が新制度で必要となるポイントを満たしていないと発表しています。

また、すでに入国済みの方が、この新制度の要件を満たさない場合、強制的に帰還させられるそうです。

そうなった場合英経済への影響として、どのような影響があるかというと、稼ぎ頭である英経済の金融業は、影響はないでしょう。しかし、英金融業は、現在低迷中です。

そのため、建設労働や小売業といった日々の生活に不可欠な職業が英経済を牽引する事になります。しかし、この職業は、中東欧を中心としたEUからの出稼ぎ労働者が従事しており、安い賃金で対応する事で経済が回っています。

しかし、その労働者を排除するとなると、製品の賃上げに跳ね返って来ますので、生産性が向上しないにも関わらず、インフレが加速する事になりますね。

このような状況で、国の通貨は上昇すると思いますか？普通に考えると、下落傾向に繋がりますよね。

また、このような状況で、安い労働力もなくなり、EU離脱により関税の縛り発生するイギリスから製造メーカは生産拠点を移動させようとしています。

これをまとめると、輸入依存度が高くて、輸出の景気牽引力の弱く、インフレの可能性がある国となってしまいます。

このような国の通貨が買われる可能性がありますでしょうか？

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さいごに

イギリスの新制度は、ジョンソン首相が国民との約束である「移民排除」を果たすために、行なっていると考えていますが、それを行う事によりイギリス経済は地に落ちる可能性もあります。

この状況から為替はポンド安につながる可能性があるため、我々投資家としては、その点を十分に理解し、投資していく必要があります。

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