金融市場は、米中貿易戦争の次は、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に直面し、投資家をより不安に陥れています。
そして、この影響はどの程度になるのか?
簡単に解説します。
新型コロナ肺炎の経済影響
2020年2月24日の米国市場はS&P総合500種株価指数SPXが3%超急落し、米30年債利回りは、過去最低水準を更新しました。
いわゆる、コロナウイルスの影響で、株が売られ、安全資産である米国債が購入されるという結果となったわけです。
やはりこの新型コロナウイルスの潜在的な影響は、特効薬等がまだ発表されていないため、深刻な問題であり、市場の不安を煽る形となっています。
では、実際の生産現場ではどのような影響があるのか?
まず一番大きな影響は、中国の生産現場です。中国の工場閉鎖や、地方労働者が都市に戻らず生産が圧迫される状況は、即座に大きな影響をもたらすでしょう。
実際に、私が本業を行なっている商社の下についている中国工場は、工場は稼働しているにも関わらず、ワーカーが通常の1/3しか集まらないため、受注に対する生産が追いつかない状況であり、納期変更を求められています。
世界貿易機構(WTO:World Trade Organization)によると、中国は世界最大の財輸出国であり、世界の製品輸出の13%を占めると言われています。
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの試算によると、コンピューター・電気関連輸出では全体の25%超を占めるそうです。
実際の例を見ると分かりやすいです。
Apple社で言えば、すでに新型コロナウイルスの影響で、iPhoneの供給が不足の可能性が発表されています。
また、医療分野で言えば、安価な医療品というのは、中国が世界最大の生産国です。米国の抗生物質の8割は中国からの輸入です。そのため、この分野でも大きな打撃を与える事になるでしょう。
自動車分野で言えば、現代自動車(ヒュンダイ)やクライスラーは、すでに中国からの部品入手が困難になり、一部の工場で生産をストップさせているようです。
この様に、完成品に対してのシャアーは、そんなに多くないとしても、その完成品に対する部品供給や医療品の供給が中国製というのは、多くの割合を占めています。
その結果、完成品が納期通りに出来ずに、納品に影響が出る、もしくは生産現場をストップさせるという事態に陥っています。
さいごに
経済状況が混乱に陥ることは、我々にコントロール出来ません。
おそらく、このニュースを不安に思い、もうダメだとなる必要はないでしょう。
例えば、分かりやすいドル円で見ると、あくまで直近としては、リスクオフの動きをした後、悪い要素が出尽くせば、一旦戻り、さらに、特効薬や対処法が出てきた場合に、再度リスクオンの動きになるでしょう。
というのも、なぜ楽観視できるかと言うと、確かに下落率はかなり大きい状況ですが、長期目線で言えば、ドル円は112円から105円は、レンジですし、変動率は、2016年以降、10%未満の変動率となっています。
そのため、この範囲内で動くのであれば、まだまだ想定内ですので、慌てずトレードしていけば良いと思います。
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