アメリカのポインペイオ国務長官は、2月1日に、中距離ミサイル全廃条約(INF)の破棄をロシアに正式に通告すると発表しました。
まず、INFですが、射程距離が500キロから5500キロの地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルというジェットエンジンがついたミサイルの保有と製造、発射実験を禁止する内容で、失効期限はない条約です。
この破棄を通告するという事は、今後、世界規模の軍拡競争が激化する可能性がある可能性がある事を示しています。
ちなみに、アメリカが、今回破棄する理由としては、以下の3つです。
(1) ロシアの核兵器に対する強い危機感
(2) 条約違反をしている可能性があるのに、特に制裁が行われていない事
(3) INFは米露の二国間条約であるため、その他の国に制限が実施されない事。特に中国!
確かに、ロシアについては、既にアメリカが条約違反し、中距離弾道ミサイルを保有している事を認定しています。
そのことに関し、既に30回以上の条約順守を求める様声明も出していますが、あまり効果がない様です。
このことからも、米露の関係性が良好でない事がわかります。
しかし、ロシアは、現在アメリカとの貿易よりもEUとの天然ガス等に関する貿易がメイン産業です。詳細は以下図を参照してください。
そのため、ロシアは、アメリカからの声明に対しても強気な姿勢を見せているのでしょうが、アメリカが、米中貿易問題で、中国に対して制裁を行なった様に、またしても同盟国などに手を回し、ロシアとの貿易を制限する様な声明を出す可能性もあります。
この様な措置を実施された場合は、かなり大問題になります。
本来のINFの目的であった軍拡問題の縮小から各国は軍拡問題の拡張に走る可能性が高いです。
そうなると、世界経済はさらに荒れ模様になってしまいます。
上記の様な事を投資家は心配し、またしてもリスクオフという形で、円が買われる可能性があります。
最終決定はもう少し先だと考えられますが、2019年はやはり円高の傾向が強そうですね。
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