海外アナリストの考えを入手するのが好きなトラエンです。
本記事は、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行の主席エコノミストがマイナス金利の必要性と、そこにデジタル通貨を絡める面白いアイディアについて話をしていたので、紹介します。
まぁ、銀行も生き残りをかけた戦いが必要であり、そこにデジタル通貨を導入する裏の理由というのが見え隠れして面白いです。
本記事のポイントは以下です。
✔︎ 個人預金もマイナス金利?
✔︎ まさかのデジタル通貨の裏の作戦
景気回復の手段はマイナス金利
日本では既に導入されているマイナス金利ですが、イングランド銀行の主席エコノミストAndy Haldane氏が、
「次の大恐慌から英国経済を守るためにはマイナス金利にしなければならない」
とコメントしていました。
まぁ、別にこれについては、そんな驚きもないですし、多くの国で既にマイナス金利を導入しているので、それらの国の政策を模倣しているんだなぁ〜という程度です。
ちなみに、我々日本の中央銀行である日銀も既にマイナス金利を導入しており、今は「-0.1%」ですよね。
そして、なんとスイスの政策金利は、「-0.75%」です。
このマイナス金利を簡単におさらいすると、民間銀行が中央銀行に預けているお金が預ければ、預けるだけ逆にお金を払わないといけないという仕組みです。
なので、我々個人が預けている口座は、大丈夫!
預金は、そんなに増えないけど、減りもしない!
と・・・安心していませんか???
まぁ、日本は、大丈夫ですが、なんとスイスは、既に個人預金に対しても大口口座という指定はありますが、マイナス金利が導入されているのです。
やばくないですか??
しかも、年々その対象は広がりを見せており、2015年は600口座程度が対象だったのに、2019年には、2500講座と対象を広げています。
最初は、富裕層のみだったんですが、今では預金期間や預金金額も引き下げられ、どんどんマイナス金利個人口座が増えているんです・・・。
ちなみに、日銀の発表によると、2019年12月末の家系の金融資産残高は、1,903兆円です。
そのうち現金預金は、約半分の1,008兆円ですので、この半分をどうにかして経済活性化のための起爆剤として考えたいと思う政治家は少なくないと思いませんか?
という事は、スイスみたいに個人口座にもマイナス金利を適用すれば、国家の財政は潤い、自分たちがやりたい政策ができると考えるのは、そんなにおかしなロジックではないですよね・・・。
むしろ世界では前例があるのでやりやすいと思うくらいでしょうね。
個人的にはかなり嫌ですが・・・(怒)
じゃタンス預金するからいいよ|実は落とし穴
じゃ、次に考えるのは、タンス預金するからいいよ。
銀行に預けても増えないのであれば、個人で管理するという人が増えてきますよね。
そうすると、銀行は、個人からの預金がどんどん引き出されてしまい、破綻しかねないです。
銀行の利益というのは、ざっくり言えば、貸出金利と調達コスト(預金金利)の差です。
従い、預金してくれる人がいなくなれば、銀行は破綻です・・・。
でも、このご時世、家に置いておくのも怖いと考える人も多いですよね。
だからこそ、次に銀行や政府が考える手段は、デジタル通貨に換金すれば金利0%にするから安全のためにもデジタル通貨に換金し、銀行に預けておく事を推奨する手段を使ってくるのではないかというのが、
最初に紹介したイングランド銀行の主席エコノミストの意見です。
まぁ、これは面白い作戦ですよね。
これによって、デジタル通貨の普及も促せるわけですし、デジタル通貨になれば、政府も中央銀行も、データ管理しやすくなるので、デジタル通貨を普及させたいという狙いは達成できますね。
さいごに|ちょっと待った
でも、ちょっと待ったと思いませんか?
政府が本当に達成したい目的は、政府の財源を増やすことですよね。
デジタル通貨はあくまで、データの管理をしやすくするための、手段の1つでしかないわけです。
財源を増やすためには、別に、個人口座にマイナス金利を導入し、銀行経由で間接的に、資金調達すればいいわけですから、逆に遠回りになるよな気がします・・・。
となると次に来るのは・・・
そう!
貯金(貯蓄)税ですよね?
貯蓄している金額から一律税金をとるという可能性は高いです。
なので、最終目標として貯蓄税という制度を導入し、正式にきっちり国民から税金を取る可能性が出てきます。
でも、タンス預金されるとその預金は税金対象から逃げられてしまう可能性があるので、
その前に一度国民全員の資産をタンス預金に逃げさせないように、うま〜〜くデジタル通貨に誘導して、資金の詳細をデジタル管理し、デジタル管理した後に、
一気に税収として刈り取る。
こういう作戦を考える可能性はあり得ますよね。
まぁ、これは国の政策ですので、我々個人ではどうにも動かせないですが・・・
我々個人でできるとすれば、今のうちに自分の資産管理を金融商品などに変えられるような勉強をしておく必要があるわけです。
やっぱり、預金が一番!
と考える人も日本人の中には多いでしょうが、政府が上記に書いたようなストーリーを考えているとすれば???
預金が一番など言えますか??
難しいですよね・・・。
だからこそ、我々は早めに金融リテラシーを上げておく必要があると私は個人的に思います。
[…] ● 政府の裏の狙い?マイナス金利でデジタル通貨が普及する […]