2020年2月20日に2月の月例経済報告が発表されました。
その中で、政府の発表が「景気は緩やかに回復している」というものでしたが、本当にそれを信じて良いのか?
【景気 新型懸念も緩やかな回復】https://t.co/BsOszryoeO
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 20, 2020
政府は20日、2月の月例経済報告を発表し、景気は「緩やかに回復している」との基調判断を維持した。ただ、先行きの懸念として「新型コロナウイルス感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある」。
本当にその発言は正しいのか?分析してみましょう。
景気は本当に回復しているのか?
2020年2月20日に行われた月例で政府が発表したものは、「景気が回復している」という事でした。正確には以下の通り月例報告書には記載されています。
景気は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と 増した状態が続いているものの、緩やかに回復している。
先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなか で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されるが、新型コロ ナウイルス感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある。また、通 商問題を巡る動向等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響にも留意する 必要がある。
出典元:内閣府 令和2年2月 月例報告書
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/0220getsurei/main.pdf
政府は、あくまでコロナウイルスの影響は鑑みながらも、日本経済は回復傾向にあるという姿勢を貫いています。
設備投資は増加傾向?減少傾向?
設備投資とは、いわゆる企業がする若い世代への投資です。
新しい設備や機械を導入しない限り生産能力は向上しません。むしろ機械やコンピュータは、日々性能が若干ではあるものの劣化していきます。それが何年も続けば、設備投資をしている企業とそうでない企業で大きな差になるのは明らかですよね?
設備投資をしない企業が、いくら素晴らしい製品を製作しようとしても、新しい「サービス」「おもてなし」を提供しようとしても、設備投資をしている企業に勝てないのは、当たり前ではないでしょうか?
そんな設備投資に関して、日本の大企業は、若干ではあるものの伸びています。
しかし、中小企業は、横ばいから若干ではありますが、下げ気味です。
前述した通り、設備投資の額が横ばいから下げ傾向というのは、若い世代へお金が回せていないという事です。また、横ばいというのは、日々性能が劣化する設備をそのままにして何とか凌いでいるという状況でもあります。
この事から中小企業は、景気回復傾向にあると言えるか非常に疑問ですね。
確かに、大企業は、景気回復傾向だから、日本の景気は回復しているというロジックは言えるかもしれませんが、
日本の企業における大企業の割合は、たったの0.3%です。
この事からも、大企業の数値だけをみても、日本経済全体が回復傾向にあるといはなかなか言えないでしょう。
倒産企業が増加傾向
また、景気回復傾向であれば、倒産する企業は減少傾向にあるはずです。
しかし、東京商工リサーチが2019年年末に後悔した企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年比1.7%増の8383件です。
前年比増となる結果は、実はリーマン・ショックがあった2008年以来11年ぶりです。人手不足に加え、消費増税に伴い個人消費の低迷を受け、中小零細企業の倒産が増加したという風に東京商工リサーチは報告しています。
ちなみに、これはある1分野の産業とかではなく、全10産業のうち、7産業が前年を上回る結果となっています。
(サービス業:4年連続, 小売業:2年連続)
本当にこの状況を見て、政府は景気回復傾向にあると考えているのでしょうか?甚だ疑問ですね。
さいごに
今回データ分析した結果では、2020年2月の月例報告で政府の発表した結果は甚だ疑問が残る結果でした。
おそらく、政府官僚も優秀な方が多いので、この事実に気づいているにも関わらず、景気下支えする手段を持っているから、あえてこのような発言をしたのでしょうね。
ただ、一番大事なのは、この結果をもとに、我々がどうすべきなのか?という事ですね。
例えば、日経平均が上がり続けていますが、上がっているチャートを見て、今がチャンスだから買おう!となりますか?今回のデータから言えば、そうはならないですよね?
こういう飛び付き買いを起こすのは、しっかりと経済状況がわかっていない証拠です。
というのも、今の日経平均の状況は、日本経済の本質とあっていないからです。ここまで理解すれば、我々が次にとるべき行動などが見えてきますね。
別にこの状況からもう日本は終わりだと悲観的になる必要はないのです。というのは、日本経済は我々には変えられません。我々が変えられるのは、我々の影響を及ぼせる範囲のみです。その範囲でどのように対処するかというのが一番重要ですので、ぜひ検討してみてください。
[…] ● 景気は緩やかに回復は嘘??? […]
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