香港デモの原因となった「逃亡犯条例改正案の撤回」について、正式撤廃を香港政府は認める事となりました。
これを聞いて、おそらく我々日本人は、香港市民の意見が通り良かった。これで秩序が戻るだろうと考えた方も多いと思います。
しかし、まだまだデモ活動は続いています。
その原因について、再度歴史をもとに振り返っていきたいと思います。
目次
香港デモの原因は??
今回のデモの原因は、逃亡犯条例案の改正によるものと別の記事で記載しました。その内容等については、右記リンクを参照してください。(リンク)
確かに、原因(きっかけ)は、逃亡犯条例の改正によるものですが、本当の原因の根幹は、香港人の自由が徐々に蝕(むしば)まれていると言う事です。
これはどう言う事なのか?それは、過去の歴史からどう言う経緯で自由が蝕まれているのかを把握すると、香港人がなぜここまで過激にデモを対応しているのかが分かります。
どうやって香港人の自由は阻害されているのか?
別記事(リンク)でも記載しましたが、香港は「一国二制度」と言う特異な制度をしいています。
これは、イギリスから香港が中国に返還される際に、香港人が、中国に戻るくらいならば、自国を出ていくと言う意見を持った国民が多かったため、この制度が施行されました。
この制度を活用する事で、アジアの金融の中心として世界のマーケットから注目されている香港を魅力的なまま中国は自分たちの手中に収めたかったのです。
ちなみに、なぜ香港人は、中国を毛嫌いしているかと言うと、以下のような自由が阻害されるためです。
● 中国共産党による独裁政治が嫌。
● 多くの自由が阻害される。(例:言論の自由, 選挙の自由)
確かに、中国共産党は、交通状態や、人の行動について監視カメラやデータで管理しています。
実際に監視カメラの台数は、トップ5は、中国の都市です。
世界において一番多いカメラによって監視されている都市では、中国に8個都市があります
— 🎌台北鉄道ホテルの登録所🎌 (@hammer1334) September 6, 2019
pic.twitter.com/QTfWQYQoNl
従い、このような監視社会で自由が乏しい中国人に香港人はなりたくなかったのです。
また徐々に自由が蝕まれた内容として
中国政府は、香港の選挙制度について、一国二制度の導入時は、中国の息のかかった選挙委員しか議員への選挙できないが、
後々は、香港市民全員に選挙権を付与すると約束していました。従い、この内容について、香港人も渋々納得していたものの・・・
2014年に発表された直接選挙の内容は、
中国共産党が選出したものしか、選挙に立候補できず、その立候補した候補者を香港市民が選挙で選ぶと言う内容でした。
これじゃ、結局香港政府は全て中国共産党の息のかかった人間しかいないことがわかります。
その時にこんな選挙制度は嫌だとして香港人が主体としてデモをしたのが
「雨傘運動」です。
さらに、次は、
一国二制度で言論の自由が保障されていた香港ですが、中国に対する批判的な書物を扱っていた書店の店員が失踪すると言う事件が相次ぎました・・・。
これも、中国共産党の人間が書店員を中国へ強制的に連行していたと言うことが話題となりました。
そこに来ての「逃亡犯条例の改正」です。
以前の記事にも記載しましたが、
中国は、共産党に対して批判的な行動や言動をとったら、「転覆の疑いあり」として犯罪者にされる可能性があります。
この事を理解している、香港人は、とうとう香港の自由を奪い、がっちりした中国政府が、香港を完全統治に来たとして、今回のデモにつながっています。
でも・・・なぜまだデモが終わらない?
では、香港人が要求していた「逃亡犯条例改正案の完全撤回」について、要望が通ったにも関わらずなぜ、デモ運動が終わらないのか???
それは、香港人の要求はこの1つではないからです。要求は、以下5つなんです。
①逃亡犯条例改正案の完全撤回、
②市民活動を「暴動」とする政府見解撤回
③デモ参加者の逮捕・起訴の中止
④警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
⑤民主的選挙実現
そして、⑤を見て分かる通り、香港人として自立する事を強く香港政府また中国政府(習近平)に強く伝えている事がわかります。
さいごに
香港人の歴史とデモの声に耳を傾けると、なぜこんなにも過激なデモにつながっているのかがよくわかりますね。
また、中国がこのような状況である事に対して、もしも中国が武力行使をするような事があれば、間違いなく中国は世界中から経済制裁の対象になりかねません。
そうなれば、世界経済は悪化の可能性も高く、リスクオフの流れになり、円が買われる可能性が高くなります。
ぜひ、そこを理解し、チャートやニュースを見ていきたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。