香港で発生しているデモですが、日に日に悪化していますね。
この状況は、「香港大変な事になっているな」と遠目から見るのもあると思いますが、米中関係も絡めながら見ると非常に興味深い状況が見えてきますので、紹介します。
目次
香港のデモの原因は?
香港で発生しているデモの原因は、「逃亡犯条例の改正」に対する反対デモが発生しています。
逃亡犯条例とは、香港内の容疑者の引き渡しを、犯罪人引渡し協定を締結している国・地域の要請に基づいて、容疑者を引き渡す事を可能にする条例です。
そして、その改正案とは、もともと協定を締結していない国に対しても要請に基づいて引渡しするというものです。
これだけを見ると、「えっ??」別にそんな問題じゃないよね??と感じませんか?
それでなぜ以下Twitterで示されているようなデモに進展するの?と感じますよね?それについては、香港が抱える歴史を少し理解する必要があります。
香港で再び衝突。デモ隊が築いたバリケードが炎上した。 pic.twitter.com/vEHFT7K3DA
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) August 31, 2019
香港の歴史:一国二制度とは?
なぜここまで香港のデモが激化しているのか?
これは、この条例改正により、香港が「一国二制度」という中華人民共和国に属しておりながら、中国とは異なり、民主主義国家であるということが大きな原因です。
中国:社会主義
香港:民主主義
香港人は、既にイギリスから1997年に返還されましたが、中国の制度を取り入れるのではなく、「香港特別行政基本法」を制定し、
50年間は行政や立法、司法の独自性を保つと合意しています。
そのため、上記のように、社会主義と民主主義が1国で2つの制度を導入しているのです。
いわゆる香港の方々は、中国人とは思っていないということです。これは、若い世代になればなるほど、中国人とは違うという自負を持っているのです。
でも、ここまで激化する意味ある??
私も最初は、中国と一緒になりたくないという理由だけでここまで激化する意味があるの??と思いたくなります。
しかし、この逃亡犯条例の改正をする事で、一国二制度が崩れ、香港の民主主義が、中国の社会主義に侵される可能性があると言うことです。
これを、過激な例えをすると、
中国政府が香港で反中運動をしている人がいれば、適当な罪名を押し付け、中国国内に引っ張ることができる可能性があると言うことです。
こうなってくると分かってきますよね・・・。
中国としては、この条例改正を通し、すぐにでも香港のデモを鎮圧したいと思っていそうですよね。
中国は本当に香港デモを鎮圧したいのか?
本当に中国は本当に香港のデモを鎮圧したいと思っているのか?
実は、白シャツ集団がデモ参加者に対して暴行を起こすなどの事件も発生しています。
さらに、一般市民に対して、白シャツ集団は、暴行を加えたにも関わらず、警察は一般市民を助けてもいないそうです・・・。(以下Twitter参照)
https://twitter.com/HKnewsJP/status/1167815493916348416
さらに、香港の親中派議員とこの白シャツ集団が、談笑し握手する映像まで出回っています。
怖すぎますね・・・。
なぜここまでするのか?
あるとすれば、それは10月1日に開催される中華人民共和国の建国70周年の式典までに、マイナスイメージを払拭したいと思っているのではないでしょうか。
この式典では、諸外国へ中国の軍事技術の進展ぶりを見せつけ、世界に対してアピールしたいと考えているのです。
そして、次の地球の覇権は中国が握ると言うアピールをしたいのです。
そんな中、香港デモや中国の国内経済の減速などマイナスポイントは早めに潰しておきたいと考えそうです。
中国国内の経済は、8月に発表されたPMI(製造購買担当者指数)が経済好調の指標である50ポイントを下回り、49.5ポイントと発表され、若干景気の弱さが出ています。
であれば、香港デモは、早めに鎮圧しておきたいと考えるのは腑に落ちますよね。
最後に(為替への影響は?)
香港デモは、表面的には激しいなと考えそうですが、実はその裏には、中国の思惑も見え隠れしています。
もし、中国が武力を持ってこのデモを鎮圧しようものなら、アメリカは「シメシメ」と思い、国際諸国へ協力を煽り、こんな国は許されないとし、一気に中国に対する経済制裁を強めてくる可能性もあります。
そうなると一気に、リスクオフの円高方向に動きそうです。
また、10月に行われる建国70周年で示される軍事技術のアピールでも、アメリカの反応はしっかり見ておく必要があります。
香港のデモは、意外と色んな思惑が入り混じっている大きなニュースですよね。
[…] 今回のデモの原因は、逃亡犯条例案の改正によるものと別の記事で記載しました。その内容等については、右記リンクを参照してください。(リンク) […]