原油価格が17年ぶりの安値|ジャスダック投資初心者向け

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原油価格の大暴落が止まりませんね。

どうもトラエンです。

本記事では、2003年以来、17年ぶりの安値になった要因について、簡単に説明します。この記事のポイントは以下です。

OPEC崩壊

世界の原油闘争は以下記事でも紹介しましたが、サウジ vs ロシアの構図となり、まさに喧嘩別れ状態です。

簡単に説明すると、今までは、なんとか原油価格を安定させるために、サウジを中心としたOPECで原油産出量を抑える事で、原油価格を保っていました。

しかし、非OPEC代表のロシア側は、産出量を抑える事で、国の財政状態を圧迫させられるとして、それをOPEC+の会合の中でサウジの要請を拒否し、喧嘩別れ状態となっています。

この喧嘩別れとなってから、ロシアはなんとか再度会合の場を持とうとしているように、メディアでは報道されていますが、サウジはもうおかんむり状態です。

そして、この状態を一番よく知っているであろうOPEC加盟国であるUAE(アラブ首長国連邦)のエネルギー産業省の大臣がTwitterで以下の通り発言しています。

OPECとOPEC+は、市場の安定化に重要な役割を果たしてきた。(過去形)
UEAエネルギー省は、石油市場サポートのためにこれから新しい協定が必要不可欠だ。

一国のエネルギー産業大臣が、まさかの公式アカウントで、OPECとOPEC+は役割を終えたとも取れる発言をしているのは、かなりの驚きでした。

そして、OPECの役割は、今まで価格安定化を図るべき役割でしたが、それが効かなくなると言うことも示しており、コロナウイルスが発展し、市場はかなり恐ろしい状況に突入する事が分かります。

サウジの強気行動と他国の動向

全章で述べた通り、今まで減産による価格安定化を図っていたOPECとその中心であったサウジアラビアですが、ロシアとの喧嘩別れにより、以下の通り方針を一転させています。

また、それに追従する形で、OPEC加盟国は、増産に踏み切り出しました。

サウジアラムコ
 1300万/日バレルに増産
ADNOC
 500万/日バレルに増産
イラク
 1バレル当たり5ドルの引き下げ
クウェート
 サウジの価格と同様にする

さらには、5月にOPEC+会合をする意味はないとまで発言をしています。

これが何を示しているかと言うと、コロナウイルスの影響で、原油は市場に余っている(供給過多)の状況なのにも関わらず、さらに供給するとサウジアラビアが決定した事で、需要と供給のバランスが崩れ、原油価格が値崩れしていっていると言う状況です。

結果として、17年ぶり1バレル=25ドル前半まで大暴落となったのです。

さいごに

UAEのエネルギー産業大臣の発言は、かなりの驚きでしたね。
ただ、この発言から、サウジアラビアとロシアがそう簡単に妥協点を見つけられる状況ではない事が、よ〜〜く分かりますよね。

さらに、サウジアラビアですが、どうも価格を主導的に下げて、マーケットシェアを取りに行こうとしているのではないでしょうか?

現在(2020年3月時点)サウジアラビアの石油マーケットシェアは、以下図の通り12.7%です。また、米国・ロシアとほぼ同等のマーケットシェアを確保している事が以下図からわかります。

出典元:日経新聞

今のサウジアラビアの強気な動向から、サウジアラビアは、原油価格をまず主導的に下げて、12.7%のマーケットシェアを拡大しようとしている様にも見えます。

と言うのも、ロシアのマーケットは、主にヨーロッパですが、ヨーロッパは、脱化石燃料の動きが強いため、ヨーロッパ以外のマーケットをサウジアラビアが確保する事で、再度石油王国としての地位を確立できます。

従い、今の強気な動きは、長期的に見た戦略のような気がしてなりませんね。

ただ、これをロシアが黙って見ている訳がないですよね?と言うことは、この原油戦争は、まだまだ続きそうであり、原油価格の下落は、まだ続きそうですね。

おまけ:原油と為替

あと忘れてはいけないのは、「原油と為替の関係性」です。

原油価格が下がると言うことは、オーストラリアとカナダなどの資源国の通貨が売られると言うことです。

そして、まさに2020年3月3周目まさにオーストラリアドル・カナダドルは、以下図の通り、とんでもなく売られています。

まだまだ為替相場も原油に引っ張られ荒れそうですね・・・。

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