損益計算書を見る2つのポイント

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投資をする上で相手の投資先を知るという事は、友達にお金を貸すのに友達の性格を知る事と同じです。

皆さんは、友達の素性も知らないのに、お金を貸したりしますか?そんな事ありませんよね?なのにも関わらず、投資をする際は、そういう事を調べずに投資をする人が多すぎます。

だからこそ、損益計算書を正しく読む事で、その企業が適切に利益を出しているのかどうか分かりますので、紹介します。

これが読む事が出来れば、実は、その企業は、本業ではなく、あまり力を入れていない副業で結果を出しており、本業は火の車なんてことも考えられます。

損益計算書を正しく読むことで、利益が本業と副業のどちらで出ているかということもわかります。

財務諸表のメインである財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書)から、損益計算書の基本的な見方と、ここだけは押さえたいという2つのポイントを見ていきたいと思います。

1. 損益計算書とは?

損益計算書はP/L(Profit and Loss Statement)とも呼ばれ、企業の一定期間の経営成績を「収益」「費用」「利益」から見ることができるものです。

つまり、

今期(一定期間)
会社はどれだけお金を稼いで(収益)
どれだけお金を使って(費用)
いくら残っているのか(利益)

がわかるようになっています。

また、「収益」「費用」「利益」は、それぞれ「会社の本業の経営成績」「会社の通常の経営成績」「最終的な経営成績」の3つの経営成績に分けることができます。

損益計算書の一例

では、損益計算書について詳しく見ていきましょう。

1-1. 会社の本業の経営成績

会社の本業の経営成績は、収益である「売上高」、費用である「売上原価」「販売費及び一般管理費」、収益から費用を引いて求めた利益である「売上総利益」「営業利益」で見ることができます。

ちなみに、会社の本業とは、定款に記載されている事業目的を指します。

例えば、損保ジャパンの場合は、以下のように記載されていました。
ですので、当たり前ですが、損保ジャパンは、損害保険や生命保険の保険業が「本業」であり、お客様から借りたお金を運用し膨らませるというのは、「副業」にあたりますね。

目的) 第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

(1)損害保険会社、生命保険会社その他の保険業法の規定により子会社等とした会社の経 営管理
(2)その他前号の業務に附帯する業務

出典元:https://www.sompo-hd.com/~/media/hd/files/ir/stock/pdf/teikan.pdf

売上高

売上高とは、会社の本業によって稼いだお金の合計です。
売上高は、金額の大小にかかわらず、本業以外の稼ぎは含まれません。
本業の稼ぎが100万円あり、副業の不動産収入が200万円ある場合でも、本業の100万円のみを売上高とします。

売上原価

売上原価とは、売れた商品に対してその商品を用意するのにかかったお金のことです。
製造業なら製造するのにかかった費用、小売業なら仕入れをするのにかかった費用などが含まれます。

売上総利益

売上総利益とは、売上高から売上原価を引いて求められる利益です。「粗利益(粗利)」とも呼ばれます。

売上総利益(粗利) = 売上高 - 売上原価

売上総利益は、商品の原価に対していくら利益を上乗せして売り上げたかがわかるため、その商品が稼ぐ力を表しているとも言えます。

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費とは、商品を販売するために使ったお金のことです。「販管費」と略して呼ばれることもあります。

「販売費」と「一般管理費」で構成され、「販売費」には販売のために使ったお金(営業部門の人件費、広告費など)、「一般管理費」には会社を運営・管理するのに使ったお金(間接部門の人件費、事務所家賃など)が含まれます。

営業利益

営業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費(販管費)を引いて求められる利益です。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

営業利益は、本業で稼いだお金から、本業で使ったお金を引いて残ったお金ですので、会社が本業で稼ぐ力を表しているとも言えます。

1-2. 会社の通常の経営成績

会社の財務活動の経営成績は、本業の経営成績で計算された「営業利益」と、収益である「営業外収益」、費用である「営業外費用」、収益から費用を引いて求めた利益である「経常利益」で見ることができます。

営業外収益

会社の本業以外で稼いだお金が営業外収益です。
営業外収益は家賃収入や受取利息など、本業以外で稼いだお金のうち、突発的ではないものを指します。

これは、少し例として良くないですが、フジテレビを見ると、分かりやすいです。フジテレビは、テレビ会社というイメージが大半の方のイメージでしょうが、実は、その利益の半分は家賃収入です。

都市開発事業によるビルの家賃収入で売り上げの半分以上を持っているため、おそらく一般の我々の認識からすると、これは営業外利益になるのですが、フジテレビ(フジメディアホールディングス)は、定款にすでに、不動産業を事業目的として記載しています。

そのため、良い例ではないですが、イメージとしては、フジテレビの家賃収入などが、営業外利益にあたります。

営業外費用

会社の本業以外で使ったお金が営業外費用です。
営業外費用は借入金の支払利息など、本業以外で使ったお金のうち、突発的ではないものを指します。

経常利益

経常利益とは、営業利益に営業外収益を足して営業外費用を引いて求められる利益です。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

経常利益は、名前に「経常」がつく通り会社が「通常の活動」を行って稼ぐ力を表しています。
また本業の経営成績に会社の財務成績を含めた利益とも言えます。

1-3. 最終的な経営成績

最終的な経営成績は、会社の通常の経営成績で計算された「経常利益」と、収益である「特別利益」、費用である「特別損失」、収益から費用を引いて求めた利益である「税引前当期利益」「当期利益」で見ることができます。

特別利益

会社の本業以外で臨時に稼いだお金が特別利益です。
特別利益は固定資産を売却した利益などが含まれ、通常は発生しない突発的に稼いだお金という点が営業外収益と異なります。

例えば、三菱重工が最終黒字1000億円という事で、日経新聞に大々的に2019年に掲載されていましたが、よくよく見ると、確かに売上高も伸びてはいましたが、その中で土地の売却に伴う事業利益が大きく伸びていました。

これは、経営がうまくいったというよりも特別利益による黒字転換が大きくあくまで一過性のものだという事が分かります。

特別損失

会社の本業以外で臨時に使ったお金が特別損失です。
特別損失は災害損失や盗難損失などが含まれ、通常は発生しない突発的に使ったお金という点が営業外費用と異なります。

税引前当期利益

税引前当期利益とは、経常利益に特別利益を足して特別損失を引いて求められる利益です。
毎期の繰り返しを見込める経常利益に、今期に臨時で発生した損益を含めた利益で、今期の実際の利益と言えます。

なお、特別利益、特別損失は、「特別」な場合以外は発生しないこともあります。どちらも発生していない場合は、経常利益と税引前当期利益が同じ値になります。

当期利益

当期利益とは、税引前当期利益から法人税等を引いて求められる利益です。「当期純利益」「最終利益」とも呼ばれます。

当期利益 = 税引前当期利益 - 法人税等

税金を引いた後の最終的な今期の利益で、この利益が株主配当や内部留保として使われます

ですので、投資をする場合、ここが投資家の配当に直結してくるので、この推移については要チェックです。

2. 損益計算書 ここをチェック!

では次に、損益計算書のチェックポイントを見ていきましょう。

2-1. 5つの利益が「利益」になっているかチェック

損益計算書をチェックするとき、最初に確認したいのは「利益がマイナスになっていないか」です。利益がマイナスの場合は「損失」と表します。

特に、会社の通常の利益である「経常利益」がマイナスになっていないかどうかは重要です。

最終的な「当期利益」がマイナスでない場合でも、「経常利益」がマイナスということは、会社が通常の事業をしているときは赤字で、それを補填するために固定資産の売却等で「特別利益」を生みだしていることが考えられます。

先に紹介した三菱重工がまさにこれにあたりますね。

そういった場合は、売却するものがなくなると「当期利益」もマイナスになる恐れがあるため、事業や資金計画の見直しが必要になります。

2-2. 「売上高利益率」の分析で収益性がわかる

売上高利益率とは、売上高を100とした時、利益がどれぐらいかの比率を計算したものです。
主な3つの売上高利益率「売上総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」を計算することによって、会社のどの部分に収益性があるのかがわかります。

売上総利益率

売上総利益率は、「売上高」と「売上総利益」で計算し、売上原価にどれだけの利益を上乗せしているかがわかる指標です。粗利率とも呼ばれています。

売上総利益率(%)= 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

売上総利益率は、数値が高いほど「利益の大きい商品=付加価値の高い商品」を販売していることになります。

ただし、売上原価の考え方は業種によって大きく異なるので、売上総利益率を比較するときは、同業種または自社の過去データと比較する必要があります。

売上高営業利益率

売上高営業利益率は、「売上高」と「営業利益」で計算し、本業でどれだけ稼げるかがわかる指標です。

売上高営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100

売上高営業利益率は、数値が高いほど「会社が本業で稼げる力=会社の収益力」が強いということになります。
売上高営業利益率も、売上総利益率と同様に比較するときは、同業種または自社の過去データと比較する必要があります。

売上高経常利益率

売上高経常利益率は、「売上高」と「経常利益」で計算し、正常に事業活動をしている場合にどれだけ稼げるかがわかる指標です。

売上高経常利益率(%)= 経常利益 ÷ 売上高 × 100

売上高経常利益率は、数値が高いほど「財務活動も含めたトータルの会社の収益力」が強いということになります。

一般的に売上高経常利益率が4%以上なら優良企業、5%以上なら超優良企業と言われており、0%を下回っている場合(=利益が赤字の場合)は、収益を上げる、費用を抑えるなど、利益を出すために何らかの改善が必要です。

まとめ

今回は損益計算書の基本的な見方とそのポイントに関してお伝えしました。
損益計算書を読むことでわかることとは、

  • 今期の会社の経営成績
  • 会社の収益力

また、損益計算書は、過去のデータと見比べることによって会社がどれだけ収益力を伸ばしているかがわかります。損益計算書を見るときは、当期分だけでなく、過去分も再確認すると良いです。

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