ソフトバンクは2018年3月期の決算で売上高が約9兆1587億円の過去最高額であり、純利益1兆390億円を計上しています。
にも関わらず、日本の国税に納めた法人税が、なんと「ゼロ」。
実質1円も払っていません。
その理由について、紹介します。
ソフトバンクが法人税0円の理由とは?
ソフトバンクは、2018年の法人税は実質0円でした。
その時に使った手法が、2018年9月に3兆3000億円で買収したイギリスの半導体開発大手「アーム・ホールディングス」を利用した租税回避方法です。
まず、この租税回避方法を理解する上で、理解しておく必要があるのは、外国子会社からの配当金は95%が非課税になる制度があることです。
そのため、アーム・ホールディングスからソフトバンクに対して配当があったとしても、その95%は、非課税になります。
では、実際に、ソフトバンクが使った租税回避方法についてですが、以下図を使って説明します。
① 株式の75%をソフトバンクへ配当
まず、アームHDについてですが、アームホールディングスの一番のコア技術を持っているのが、子会社であるアーム・リミテッドという会社です。
ソフトバンクとしては、まずここのコア技術を確保するために、株式の75%を配当金としてソフトバンクへ譲渡します。
② アームホールディングスの株式をソフトバンクビジョンに譲渡
①の行為により、コア技術を持ったアームリミテッドの株式が譲渡されたため、アームHDの企業価値は大きく低減します。
まぁ、コア技術を持っていないただの会社にあえてした事で、意図的に低減させたといった感じですね。
これによってソフトバンクグループは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに対して、購入時にの簿価よりも低い価格で売却しました。
結果として、多額の損失をソフトバンクグループは、損失を強制的に生み出しました。
ただ、コア技術は、①の時に配当金として譲渡済みですし、総合的には、何の損失もないのに、帳簿上は、大きな損失を生み出すことに成功したわけです。
これにより、2018年の純利益を帳簿上一気に吹き飛ばし、結果として租税回避に成功したわけです。
さいごに
ソフトバンクは、節税面でも、プロ集団の集まりであり、会社の体制が素晴らしいですね。
きっと、税金を払うくらいなら、この節税のプロ達に、高い報酬を払った方が良いと考えるのは、孫社長だけではないはずです。
でも、こういう風に税金を払っていない会社に対して、税金で支援をする可能性もあり、そのことについては、しっかり議論していただきたいですね。
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