現在仮想通貨の中で総資産第6位(2017年6月20日現在)のNEM(New Economy Movement)ですが、ビットコインと比べた際に、どの様な利点があるのか、今後どの様に普及していくのか、個人の見解としてここで説明したいと思います。
また、本記事は、ビットコインと比較した場合に、どの様な利点があるのかを記載しているため、ビットコインとは何か?という記事を先に読んでから以下を読むことをお勧めいたします。
ビットコインの記事については、右記リンク【リンク:ビットコインとは?】を参照ください。
目次
マイニング vs ハーベスティング
ビットコインの重要な技術の1つとしてマイニングというものがありますが、NEMの場合は、マイニングという単語は存在せず、このマイニングに類似する技術(作業)をハーベスティングと呼びます。
ちなみに、マイニングは10分に1回行われ、承認スピードに時間がかかるということで色々と問題がありました。
これを克服したのが、NEMのハーベスティングです。
NEMのハーベスティングは、1分に1度行われます。
これを実現するためのもう一つの技術が、PoIです。
PoIについては、次章で説明します。
PoW (Proof of Work) vs PoI (Proof of Importance)
仮想通貨の基軸であるビットコインは、PoWという技術を使用しています。
PoWは、簡単にいうとトランザクションの正当性について、過半数のマイナーが了承すれば、該当トランザクションが承認されるというものです。詳細については、右記リンク【ビットコインの基礎(リンク)】を参照ください。
また、このPoWを使用することで、承認速度が遅くなっているというのも事実でした。
そこで、その対策としてNEMが提唱しているのが、PoI(Proof of Importance)です。
PoIのI(Importance)は「重要性」という意味があります。
そのため、重要性を持った人が前章のハーベスティングをする権利があるのですが、重要性を持った人というのは、NEMを
10,000XEM(ネムの通貨単位)以上保有している人はまず、権利があります。
さらに、その中から以下の内容を考慮し、該当ユーザ(ハーベスティング実施者)をランダムに決定します。
(1) 取引量
(2) 取引数
(3) 取引相手
また、その選定されたユーザは、ハーベスティングを実行するのですが、実際に実行するのは、所有者のNano Walletがインストールされているスマホもしくは、パソコンです。(本イメージは、次章の図を参照)
また、電源がOFF状態でも問題なくハーベスティングを実施してくれます。
加えて、PoWの場合は、マイニングの作業についてスーパーコンピュータを用い実施していたため、消費電力がかなり必要でしたが、PoIの場合は、選ばれたパソコンのみが承認作業を実施するため、特にそんなに多くの消費電力を必要ないという利点もあります。
システムアーキテクチャ
システムアーキテクチャがビットコインとNEMでは多少異なり、ビットコインはマイニングしているプールに対して直接マイニング報酬(送金手数料)が支払われるのに対し、NEMはNIS(NEM Infrastructure Server)経由でNCC(NEM Community Client)に対してハーベスティング報酬が支払われます。
この違いのポイントは、NCCがNISとのみ接続されていれば良く、インターネットに接続されていなくても構わないという点です。
そのため、ハーベスティング報酬がインターネットの世界と切り離された場所に保管されるため、安全であるという利点があります。
イメージは以下図を参照ください。
最後に
NEMは最初東南アジア、日本、中国、韓国で市場を開拓していき、2017年には、ヨーロッパ、アメリカと市場を開拓しようとしております。
ただ、どうしてもビットコインと市場が被ってしまう分、投機としての位置から脱却できず、通貨の域まで達することができていないというのが現状です。
今後どのように市場を伸ばせるか、明確な打ち手があるか分かりませんが、認知度をもう少し上げない限り、現状を打破するのは難しいかもしれません。
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