この記事では 投資で失敗する人の特徴や投資で失敗しないための方法、そして著名な投資家や有名企業の失敗を解説します。
投資では事前準備が収益に大きな影響を及ぼします。知識不足や準備不足が原因で損失を出してしまうことのないように、十分な対策を心がけましょう。
目次
投資で失敗しないために
投資家の中には「10万円から1億円にした」とか「1日で100万円稼いだ」など、様々な投資成功例があります。成功例を聞いて、投資を始めてみようという方も多いことでしょう。
しかし投資では「少しずつ稼いでいたのに、ある日一気に負けた」とか「難しすぎて続けられなかった」など、さまざまな理由で市場から退場してしまう方が後を絶ちません。
投資を始める前に、まずは典型的な投資失敗例や失敗の特徴などについて押さえておきましょう。そして、 失敗例から失敗しないための対策方法を学んでおくことが重要です。
投資の失敗を避けるために「投資スタンス」を決める
投資で成功するためには自分の投資スタンスをまず決めることが重要です。そのために押さえておきたい
3つのポイントを解説いたします。
期間から考える
株式で利益を得るためにはまずは、「短期」なのか「長期」なのかを考える必要があります。その理由は「短期投資」と「中長期投資」では投資手法がまるで異なるからです。
短期投資は1日で投資を行う「デイトレート」と2〜7日間で行う「「スイングトレード」が中心となります。投資は安く買って、高く売る、というのが基本的なスタンスですが、 短期投資の場合はこのスパンが非常に短く、素早い決断が求められます。
それに比べ、中長期投資では多少の損失が出てもすぐに売却するようなことはせずに、 じっくりと腰を据えて資産が増えるのを待つ姿勢が求められます。短期投資に比べて自分が長考するタイプで気も長いタイプならこの中長期投資が向いているでしょう。
また、私個人の意見としては、サラリーマンなども「中長期投資」がオススメです。理由は、短期投資の場合、チャートに張り付く必要があり、その場合本業に支障が出るため、要注意です。
リスク許容度から考える
「リスク許容度から考える」とは自分がどのくらいのリスクを許容できるかを先に準備してから投資を行うということです。
投資にはリスクが付き物です。
電力株やガス株のようなライフラインに代表される株はリスクが低く、逆にベンチャー企業などはリスクが高いです。その代わり、ハイリスクハイリターンも期待はできます。
もし自分に資産の余裕があるのであれば、高い利回りを期待してリスクの高い株に投資するのも良いでしょう。しかし、通常はあまりリスクの高くない安定した株に投資するのがベターだと言えます。 自分の資産と資産運用の目的を考えて投資先を選ぶようにしましょう。
投資目的から考える
投資目的から考えることも重要です。
投資の目的はもちろん利益をあげて儲けを得ることです。そのほとんどはキャピタルゲイン(株式の売却益)になりますが、その他にも株式の配当益だったり、株式優待だったりがあります。
もちろん本格的に利益をあげたいとお考えの場合はキャピタルゲインが良いですが、 リスクを取らずに安定して利益を得たいとお考えの場合は配当益や株式優待を狙うのも選択肢に入れると良いでしょう。
株式優待などはそれほど大きなリターンを得れるイメージがないかもしれませんが、航空会社の搭乗券が半額で購入できたり、実際に乗らない場合は金券ショップで売却できたりするので、以外に大きなリターンを得ることが可能です。
私個人としては、投資スキルをつけたい方は、まずキャピタルゲインを身に付ける事を優先する方が、オススメです。
投資で失敗する人の12の特徴
投資で失敗する方には下のような「12の特徴」があります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
-
明確な目標・理由がない
-
「投資=ギャンブル」と考えている
-
資金管理ができない
-
リスク管理ができない
-
投資のルールが曖昧である
-
常に大勝ちを狙っている
-
他人任せで取引をしている
-
自分に適した投資スタイルを選べていない
-
情報収集・勉強を疎かにしている
-
情報を信用しすぎている
-
欲や焦りで行動をする
-
リスクを分散できていない
明確な目標・理由がない
投資は明確な目標や投資する理由がなければ、自身の投資スタイルを確立することができません。
いわゆる「出口戦略」というやつです。
そして目標とする利益額や、いつまでに稼ぐという時期が定まっていなければ、投資対象の銘柄と投資額を決めることが困難です。
投資では利回りを算出しておく必要があります。
例えば「100万円」の資金を投入して1年間で「150万円」にしたい場合、以下のように式で利回りを計算することができます。
- 利回り = (目標設定額 – 投資資金) ÷ 投資資金 × 100
例の場合を上の式に当てはめると (150万-100万) ÷100万x100=50 となります。
つまり例では、値上がり益や配当金などを合計した利回りが「50%」となるように下調べをして、対象となる銘柄を選定する必要があります。
計算した利回りが現実的でない場合は、目標金額を下げるか期間を延ばすかしましょう。資金を増やすことでも解決することができます。
私自身も、最初は、この計算をしておらず、漠然と稼ぐ事だけに着眼していたため、ここを明確にする事で、自分がどういった投資をしたいと考えているのか選別する事ができるようになりました。
「投資=ギャンブル」と考えている
投資は、勝つか負けるといった表現をすることがあります。
しかし、投資はギャンブルではありません。投資は運に左右される場面も多々ありますが、対象銘柄やリクス管理を必要最低限行うことで多少のリスクは回避できます。
対象銘柄によってリスクが異なるため注意が必要です。
そして「投資はギャンブルである」という考え方をしていると、本来想定していた投資の目標や設定金額を守らなかったり、失敗を分析せずにやけになってハイリスクな投資をしてしまうことがあります。
投資は、感情的になった投資家から退場していくものです。ワンクリックで注文できる投資でも、しっかり目標や対象銘柄について学ぶことでリスク回避することができます。「しっかり準備した投資」と「ギャンブル」では、そもそも本質が違うものです。投資で利益を出すためには、まず投資を知りましょう。
Fxで退場していく人の大半が、感情的なトレードにより、退場していってしまいます。それは、一度の負けを取り返すために、ハイリスクなトレードを積み重ね、結果として大きな負けとなり、退場するパターンが大変です。
最初は、ハイリスクなトレードはしないと心に決めていても、負けが混む事でこのような精神状態になってしまうのです。
だからこそ、自分の出口戦略をもとに、感情的なトレード(=ギャンブルトレード)にならない様に、する必要があります。
資金管理ができない
投資において最も重要なのが「資金管理」です。
投資は、資金が多ければ多いほど効率が上がり、目標達成が早くなります。そのため「資金管理」することは最も重要なことであるといえます。
投資に失敗して市場から退場する方のほとんどが、資金管理をすることができない傾向にあります。無計画に一攫千金を狙って取る必要のないリスクまで取ってしまい、保有しているポジションの損失が膨らんでも なかなか損切りすることができません。
資金管理において重要なことは、「運用資金の2%~3%以上のリスクを取らない」ということです。そうすることで負ける回数が増えても、損失を抑えることができるようになります。
私自身も最初の頃は、早く利益を上げたいため、資金をフルに使い、投資していました・・・。結果として、一度退場をくらいました。
結局、早期に結果を出す場合、それなりのリスクがある事を理解し、その投資が自分に合っているのかどうかを把握して、投資をやりましょう。
リスク管理ができない
投資ではたとえどんなに凄腕な投資家でも、必ずといえるほどリスクを取っています。というのも、いろんな予想をする人がいますが、結局未来の事は誰も分からないのです。
しかし、必ず取らなくてはいけないリスクでも、リスク管理をしっかりしておくことで必要最低限のリスクに抑えることができるのです。
市場から退場している方のほとんどが、 リスク管理をしていないかすることができていません。
実際にリスク管理するにはどのような方法があるのかを解説します。リスク管理する方法は以下のとおりです。
必要以上に投資額を増やさない | 投資は投資額が多ければ多いほど、取るべきリスクも多くなります。 |
---|---|
最大の負けを想定して投資する | 損失額を決めておくことで、負け続けた場合でも必要以上のリスクを取ることはありません。 |
投資の対象は分散しておく | 投資する金融商品によってリスクが異なります。しかし分散投資をしておけば、1つがダメになっても全て失うことはありません。 |
信用取引は必要最低限にする | 信用取引は他の取引よりもハイリスクハイリターンなので、運用資金や取引回数を抑えましょう。 |
根拠のない取引はしない | ポジションを保有するときに「なぜエントリーしたのか」を具体的に説明できない場合は、負うことになるリスクを把握できていません。 |
投資のルールが曖昧である
投資で安定して利益を出すためには、 投資のスタイルを確立したり投資のルールを決める必要があります。
行き当たりばったりな取引を繰り返していると、リクス管理ができていないため投資で失敗しやすいのです。投資を始める前に以下のポイントに注意して、取引ルールを決めておきましょう。
投資額 | 投資に使う資金額を決めておくことで、設定以上のリスクを防ぐことができます。 |
---|---|
損切りの基準 | 損切りすることで必要以上の損失を、未然に防ぐことができます。騙し上げや騙し下げに注意しましょう。 |
利確の基準 | 利確する基準を決めることで、含み損に転じてしまうことを防ぐことができます。 |
金融商品の保有期間 | 保有する期間を設けることで、投資効率を下げないようにすることができます。 |
エントリーする基準 |
無駄にポジションを持つことが防げます。 |
失敗する多くの人が、利益を得たとしても、「あぁ〜もう少し持っていれば、もっと利益が出たのに・・・」「損切りした後に、あぁ〜後少し待っていれば、損切りしなくて良かったのに・・・」
と自分がした行動に対して、後悔ばかりする人が多いです。それが投資ルールを狂わせていきます。そのため、投資ルールを決めたのであれば、それがぶれない様に、しっかり守っていきましょう。
常に大勝ちを狙っている
投資では短期間で大きな利益をあげることができます。しかし、大勝ちするには、綿密な市場分析と厳しい投資ルールを守った上で、さらに運が必要になるのです。
運だけで掴んだ利益は、 その場で投資を辞めない限りいずれ失うことになります。
投資では「得られる利益=負うべきリスク」といわれているため、大勝ちを狙いにいくと想定しているよりもリスクを背負うことになります。
なので、大勝ちを狙う事は、大負けする可能性がある事を十分に理解し、その上で投資してください。
他人任せで取引をしている
例えばTwitterで勝ち続けている方がいたとします。
その方が、Twitterでエントリー報告をするたびに勝っていた場合、多くの方がミラートレードを試みるものです。しかし、人間なので100%勝てるということはありません。
そのため、自分の意図していないところでリスクを負うことになります。投資家にはそれぞれの運用資金があり取引環境があります。特に損切りするタイミングは投資家のメンタルが大きく反映されるので、他人のポジションでは冷静に取引することができないでしょう。
いつの間にか大きな損失を抱えている事態に陥っているということも珍しくありません。
私自身も、昔他の人の発言をもとに、自分のトレードスタイルを変えてトレードした経験があります。その場合、負けると、結局トレードに根拠がないため、次に活かす事もできません。
これでは自分のためにもならないので、やめた方がいいです。
自分に適した投資スタイルを選べていない
投資家には、それぞれの投資スタイルがあります。しかし投資スタイルには向き不向きがあるため、間違った投資スタイルを選択すると 投資だけでなく私生活にまで影響を及ぼします。
自分のライフスタイルや性格を分析して、スイングトレードやデイトレードなどを選択しましょう。
私自身は、スイングトレードが好きですが、人によっては、デイトレードやスキャルピングなど、いろいろな手法があるので、ぜひ自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。
情報収集・勉強を疎かにしている
投資で勝つことができる方は、 情報収集や勉強にかける時間を惜しみません。
結局勉強せずに、勝っても自分自身に何の知識も入らないので、たまたま勝っているのと同類です。
しっかり市場やファンダメンタルを分析していれば根拠のあるポジションを保有することができます。根拠を持ってポジションを保有するれば、冷静に利確・損切りすることができるようになるのです。
情報収集や勉強の手段には主に3つのパターンあります。
情報を信用しすぎている
インターネットの場合は、特に 情報源や期限に気をつける必要があります。
出版されている本であれば何度か人が目を通して情報の整合性を確認しているものです。しかしインターネットは不特定多数の人間が情報を発信することができますので、その情報を参考に、自分の考えを加えていくと良いです。
欲や焦りで行動をする
「まだまだ利益が伸びる」と思ったり「早く損切りしないと損失が膨らむ」と思うことで、欲や焦りが生じてしまいます。そして冷静に取引することができなくなり、損をしてしまうこともあるでしょう。
結果としてギャンブルトレードに知らず知らずのうちに変わってしまうので、心を鍛える事は本当に重要です。
リスクを分散できていない
リスクを分散できていなければ分散投資のメリットがないので、国・業種・時期などに注目して銘柄を選びましょう。
リスク分散を適切に行っていれば、1つの投資先が万が一暴落した際にも 致命的な損失を抱えずに済みます。
リスク分散は、確かに一般論ですので、覚えておく必要があります。
しかし、少額の場合、リスク分散をすると、利益がなかなか得られませんし、最初の頃は多くの市場を見る事は難しいので、1つに集中するというのも1つの選択肢です。
世界の投資の失敗例ワースト3とその教訓
インターネットではあまり失敗例を載せている方はいません。しかし著名な投資家や企業であれば、失敗例が語られていることもあります。本項目では投資家・起業家・企業の投資失敗例を解説します。
ウォーレン・バフェット
投資家の方であれば、ウォーレン・バフェット氏の名前を知らない方はいないでしょう。「 私の好きな保有期間は永遠だ」という言葉で、長期投資家であることも知られています。
そんなウォーレン・バフェット氏は原油価格が右肩上がりだった2008年に、石油採掘・精製会社の株に70億ドル投資しました。
しかし、2009年に保有していた株の価格が暴落し、26億ドル相当の損失を抱えて損切りします。 高掴みをして失敗した世界的な例となりました。
しかし、ウォーレン・バフェット氏は取り乱すことなく、この後冷静に分析しています。自身の失敗を認めることで失敗を次に活かしました。
ウォルトディズニー
ウォルトディズニー氏といえばディズニーランドだけでなく、大手のメディアABCやESPNなどの報道会社も傘下に置く企業を運営している社長として有名です。ウォルトディズニー氏も歴史に残る大きな失敗をしました。
1999年Yahoo!に対抗するべく、infoseekと呼ばれるポータルサイトを買収します。infoseekを支えていたのは、「内部の人材」と「ネームバリュー」でした。
しかし買収後、 技術面で支えていたスタッフの大半が辞め、名前も変更していたためネームバリューが損なれたのです。
こうしてウォルトディズニー氏は約18億ドルの損失を出してしまいました。ウォルトディズニー氏の失敗から学べることは、「無形資産に投資することの危険性」です。お金をかければinfoseekそのものを利用できると考えていたウォルトディズニー氏でしたが、手に入れられたのは外側だけでした。
東芝
日本人の方であれば誰でも知っている企業「東芝」です。ニュースをみている方ならご存知かと思いますが、東芝は経営破綻寸前です。東芝が破産する寸前まで追い込まれた理由には、2011年3月11日に発生した東日本大震災が関係していました。
東芝は2006年に、イギリスの核燃料会社から「ウェスティングハウス」という会社を買収していました。ウェスティングハウスはアメリカがで原子力発電所を建設していたのですが、東日本大震災により原発の安全基準規制が強化され、建設費が予定よりも増えてしまったのです。
ウェスティングハウスは増えた建設費を負担しきれずに、東芝が負担することとなります。しかし東芝も負担しきれなくなり経営破綻寸前になりました。原発にかかる費用はアメリカの場合電気会社が負担してくれないため、東芝はある程度リスクを想定することができたはずでした。
しかし 今回のようなリスクを想定していなかったため、東芝は大損することになりました。
投資で失敗しないために押さえておくべきポイント
これまで投資で失敗してしまう要因を見てきました。
ここからは、その失敗を防ぐために押さえるべきポイントを紹介します。以下の6つが主なポイントになるので、1つずつ詳しく見ていきましょう。
-
余剰資金で投資を始める
-
分散投資をする
-
投資するタイミングをずらしてみる
-
きちんと準備をする
-
情報・人の話を脚色しない
-
投資記録を作成する
余剰資金で投資を始める
余剰資金で投資を始めることで、万が一全額を失っても、私生活にまで影響を及ぼしません。ある程度の損失であれば冷静に損切りすることもできるでしょう。
分散投資をする
投資には「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉があります。卵をいくつかのカゴに分散して保管しておけば、カゴを1つ落としても他のカゴにある卵は割れません。投資でも同じように1つの銘柄だけでなく、複数の銘柄に分散して投資しましょう。
投資するタイミングをずらしてみる
投資するタイミングをずらすことで高掴みするリスクを減らすことができます。
ドルコスト平均法と呼ばれる投資法があり、高い時に少なく買い安い時に多く買うという投資方法です。高値や安値で投資するリスクを下げて、平均価格での投資が実現されます。
きちんと準備をする
投資を開始する前に、スムーズに投資することができる パソコンなどの環境を整えましょう。次に自分の投資スタイルにあったブローカーで口座開設し、銘柄の情報を集めます。そして運用資金を管理して、日々の投資に臨みましょう。
情報・人の話を脚色しない
インターネットでは不特定多数の人間が、様々な目的で書き込みをしています。そのため情報や話を脚色すると、事実のみを情報収集することができません。
多くの情報を読み、しっかり自分の意見を持って投資しましょう。
投資記録を作成する
投資記録を作成することで、これまでの投資を振り返って自分の投資を分析することができます。 自身の投資スキルを向上させるためには必要なことなので、投資記録を作成してみましょう。
まとめ
投資では、たとえどんな凄腕投資家でも失敗することはあります。
しかし、その後の行動が重要で、 どれだけ冷静に分析して次の取引に繋げられるかがポイントです。
投資は感情的になった投資家から退場していくようになっています。負けを取り返そうと薄い根拠でポジションを持ってしまったり、損切りラインが曖昧で含み益だけが大きくなって切るに切れなくなったりもするでしょう。
ポジションを持つことは簡単ですが、 投資で利益をあげることは簡単ではありません。
投資を始める前に十分な準備をして投資に臨みまないと、ギャンブルトレードになってしまいますので、その点は十分に注意していきましょう。
[…] ● 投資を失敗しないため12の原則 […]
[…] ● 投資失敗12の特徴とは?? […]
[…] ● 投資失敗12の特徴とは?? […]