国家によるデジタル通貨の発行といえば、今は中国のデジタル人民元が世界を一歩も二歩もリードしています。
そこに待ったをかける動きになるかもしれない発表がありましたので、紹介します。
EUのデジタル通貨とは?
EUは、2019年12月5日に海外送金などで利便性や迅速性を求める市場や利用者のニーズが増えていることから、それに対応するため、「欧州中央銀行がデジタル通貨の発行のコストや利点について、精査を進めることを歓迎する。」と発表しました。
これは、単一通貨ユーロを発行する欧州中央銀行や各国の中央銀行などが導入を検討を進めるということです。
確かに、EUの加盟国のうちユーロを導入しているのは、2019年にすでに19カ国に及びます。
この国家間において、デジタル通貨を導入する事は貿易を実施する上で、大きなメリットにもなります。
特に、中国が掲げる一帯一路構想において、陸路・海路で検討されている中国からヨーロッパまでのルート内で、利便性からデジタル人民元を採用される際に、EUのデジタル通貨があれば、「待った!」をかける手段にもなり得るので、ヨーロッパにとっては、絶対に必要な検討の1つであると言えるでしょう。
アメリカ主導の経済は終わるのか?
デジタル通貨が台頭した場合、アメリカ主導の経済はどうなるのか?
国際決済銀行(BIS)によると、国際貿易において世界貿易の約40%は、ドル建てで行われています。
この始まりは、第二次世界大戦後、米国が世界の輸出の28%を担っていたため、米国の世界に対する影響力は非常に大きいものがありました。
しかし、IMFによると今ではその割合は、たったの8.8%にすぎないようです。
イコール、米国中心の世界から、世界が成長し、分散化しているという事が言えます。
にも関わらず、世界貿易の40%がドル建てで行われているというのは不自然ではないでしょうか?
そんな時に、新たな利便性のある通貨が現れれば、そちらに世界が注目するというのは、自然な流れだと言えると思います。
その戦いに中国はいち早く目を付け、突き進んでおり、それに追従する形でEUも邁進しようとしています。
この戦いの激化により、次の世界の基軸通貨が決まる可能性が高く、しっかり見極めていきたいですね。
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